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このセクションでは日本の伝統音楽や戦後の日本のポピュラー音楽について触れていきます。
伝統音楽についての記述に入る前に、外国人の方もオリンピック大会などで一度は耳にしたことがあると思われる日本の国歌『君が代』について触れたいと思います。

『君が代』を聴いたことがない方はこちらからどうぞ:➡Go to the site

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日本の国歌『君が代』
​日本の国歌『君が代』

日本の国歌としてよく知られている『君が代』ですが、歌詞は10世紀初めに編纂された『古今和歌集』の短歌の一つです。祝賀の歌の代表作として掲載されています。いつ誰が作ったか分からない「詠み人知らず」の歌です。世界の国歌の中で、作詞者が最も古いといわれています。その後1880年に宮内省雅楽課が旋律を改めて付け直し、それをドイツ人の音楽教師フランツ・エッケルトが西洋和声により編曲したものが国歌とされ定着しました。

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この『君が代』の歌詞「君が代は千代に八千代にさざれ石の巌(いはほ)となりて苔のむすまで」ですが、古い短歌というだけあって日本人でもなかなかその意味が分かりにくいです。歌詞自体暗記していても、いざ、その一言一言正確に説明しようとすると、上手く説明できない人が多いです。また解釈も祝賀の際に歌われる歌、長寿の祝いの歌、恋文、天皇を称える歌と、考え方は色々あるようです。少し整理してみたいと思います。

 

『古今和歌集』に掲載されていた元々の短歌は、
「我君は千代に八千代にさざれ石の巌となりて苔のむすまで」となっていました。

 

それが少し変化し、
「君が代は千代に八千代にさざれ石の巌(いはほ)となりて苔のむすまで」
となり、平安時代から明治時代まで結婚式でお祝いの歌として歌われるようになり、明治以降旋律がついて国歌として定着していったようです。

 

歴史的・政治的な背景は抜きにして、純粋に歌詞の意味だけに注目した場合、どうやら解釈の違いが生じるのは主に次の二カ所のようです。

 

◎「君」の解釈
◎「苔のむすまで」の解釈

 

「君」を「天皇陛下」ととるか、もっと一般的な「君主」や「主人」などの意味でとるか、あるいは「大事な人」と捉えるか、更には、日本古来の大和言葉で「キ」は男性、「ミ」は女性を表したので「男女」を表すととるか、解釈は色々あるようです。上記のどの解釈も正しいと思いますので、ここではわたし自身これまで知らなかった新しい視点を与えてくれた解釈を、もう少し掘り下げて紹介したいと思います。

 

それは、日本古来の大和言葉で「キ」は男性、「ミ」は女性を表したので「男女」を表す、という解釈です。
古事記に登場する神で、この世で初めて性別を持って生まれた神である男神イザナ「キ」ノミコトと女神イザナ「ミ」ノミコトがいます。ここから男性が「キ」、女性が「ミ」と称されるようになったとか。このイザナキノミコトとイザナミノミコトですが、神であるにも関わらずそれぞれ「余る部分」があったり、「不足している部分」があったりして不完全であるということになりました。そこで二人はお互いの欠点を補完しあうために、子どもを授かることにしました。そうすることによって「完全」になることができるからです。その結合の結果生まれたのが日本の国土となる島々です。

「君が代」を「男女の世」と捉える解釈をする人々は、この部分は「不完全だったのでお互いを尊敬し、欠点を補い合い、共に成長できる愛し合う男女を指している」と考えます。ですので、ここは「男性と女性が共に支え合っているこの世は」という解釈になるようです。

「千代に八千代に」に関しては、解釈が異なることはあまりないようです。千年も、八千年も、という表現は非常に長く、永遠に、ということを意味します。特に古代の日本では「八」という数字は数が大変大きいことを抽象的に示すのに使われていました。ですからここでは「数え切れないほどの長い時間」、「永遠に」
という意味になります。

つまり、ここまでの意味としては、「男女がお互いを愛し、結ばれ、尊敬し合い、支え合う時代が、今後千年、八千年、永遠に続きますように」となります。

「さざれ石の」と「巌となりて」も、解釈が分かれることはあまりないようです。もともとは小さな石を意味します。漢字で書くとよくわかります。「細石」と書きます。バラバラだったたくさんの小石が結束し、一つの大きな石の塊、岩石となる。これが「巌となりて」です。
つまり、「男女がお互いを愛し、結ばれ、尊敬し合い、支え合う時代が、今後千年、八千年、永遠に続きますように。そして男女が結ばれ生まれた子、親や親戚となる者たちが力を合わせ、団結・協力し何にも負けない大きなひとつの力となりますように。」となります。

最後の「苔のむすまで」は、冒頭と同じように若干解釈が分かれるようです。
「苔」が生えるまで、ということで、「苔が生えるほど長い時間」、長年に渡り、という捉え方をする人がいます。おそらくこの解釈が一般的だと思います。
しかし、「苔」というものは「生まれ」、「死んで」土に還り、そこから新しい命が再び「生まれて」徐々に広がっていくものです。そのため、この部分を「子どもを養い育てる」「子孫繁栄」という意味である、という解釈をする人もいます。
そしてこの歌詞の解釈は、「男女がお互いを愛し、結ばれ、尊敬し合い、支え合う時代が、今後千年、八千年、永遠に続きますように。そして男女が結ばれ生まれた子、親や親戚となる者たちが力を合わせ、団結・協力し何にも負けない大きなひとつの力となりますように。子孫が未来永劫にわたり繁栄が続きますように」となるわけです。

 

解釈の違いを上手にまとめているWEBサイトがありましたので、そちらを参考にさせていただきました。

 ➡Go to the site

 

上記のサイトによれば、この歌詞を「恋文」的に解釈した場合は、
「あなたと私の関係は これからもずっと 細かい石が集まって大きな岩になり苔がはえるように 永遠でありますように」
となります。

「祝賀・長寿の祝の意味」として捉えた場合は、
「あなたの人生は この先もずっと 細かい石が集まって大きな岩になり苔がはえるように 末永く長生きしますように」
となります。

「天皇賛美」的に解釈した場合は、
「天皇陛下が治める世の中は この先もずっと 細かい石が集まって大きな岩になり苔がはえるように 末永く繁栄しますように」
となります。

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