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カザフスタン

日本の文化

日本の料理

食べ物はその国の文化を代表する「鏡」的存在のひとつです。最も手軽に国の文化や特徴を感じられるもの、それが料理だと思います。
今でこそ日本国内に外国からたくさんの外国人観光客が訪れるようになりましたが、少し前までは日本という国は外国人にとっては観光旅行で訪れるには敷居の高い国だとされていました。

色々な要因があると思いますが、日本の音楽や美術、文学、建築、映画といった一般的に文化というカテゴリーの中で捉えられるものも、それほど広く海外の人々に受け入れられ、普及しているわけではありません。
そうした中で、柔道や空手といった武道と並んで「日本の文化」を象徴するものとして世界に広く知られ、浸透していったものが日本の料理です。
それを裏付けるように、2013年12月に日本の料理=「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録されました。

下記、農林水産省のWEBサイトからの引用です:

➡Go to the site

日本の料理

「南北に長く、四季が明確な日本には多様で豊かな自然があり、そこで生まれた食文化もまた、これに寄り添うように育まれてきました。

このような、「自然を尊ぶ」という日本人の気質に基づいた「食」に関する「習わし」を、「和食;日本人の伝統的な食文化」と題して、ユネスコ無形文化遺産に登録されました。」

ちなみに、「南北に長い」と表現されることがよくある日本ですが、その距離はというと3000㎞余りです。参考までに地図で調べるとカザフスタンの東西が直線コースで約3000㎞、モスクワからアルマトィまで直線コースで約3000㎞、ポルトガルのリスボンからベラルーシのミンスクまで直線コースで約3000㎞となります。

以下、和食の4つの特徴が同じく上記の農林水産省のサイトに掲載されていますので引用します。

(1) 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重
日本の国土は南北に長く、海、山、里と表情豊かな自然が広がっているため、各地で地域に根差した多様な食材が用いられています。また、素材の味わいを活かす調理技術・調理道具が発達しています。

(2) 健康的な食生活を支える栄養バランス
一汁三菜を基本とする日本の食事スタイルは理想的な栄養バランスと言われています。また、「うま味」を上手に使うことによって動物性油脂の少ない食生活を実現しており、日本人の長寿や肥満防止に役立っています。

(3) 自然の美しさや季節の移ろいの表現
食事の場で、自然の美しさや四季の移ろいを表現することも特徴のひとつです。季節の花や葉などで料理を飾りつけたり、季節に合った調度品や器を利用したりして、季節感を楽しみます。

(4) 正月などの年中行事との密接な関わり
日本の食文化は、年中行事と密接に関わって育まれてきました。自然の恵みである「食」を分け合い、食の時間を共にすることで、家族や地域の絆を深めてきました。

ここではユネスコ無形文化遺産に登録されている「和食」を、できるだけ色々な切り口から取り上げて紹介したいと思います。

世界的に有名な定番の寿司、すき焼き、焼き鳥、照り焼き、見た目も美しい懐石料理、お正月に食べるおせち料理、身体によい薬膳料理、修行中の僧侶のための精進料理、新幹線に乗った時に外せない地方色豊かな「駅弁」、SNSを中心に世界的にファンが多い「キャラクター弁当」等、多種多様な切り口がありますが、まずは、マンパル、ナルィン、ケスペやサルマといった麺料理と関連の深いカザフスタンにちなんで、「日本の麺料理」を見ていきます。
 

日本の麺料理
​日本の麺料理

日本には主原料や形状・太さの異なる様々な種類の麺があり、麺料理の種類もとても豊富にありますが、麺は日本が発祥の地の食材ではなく、紀元前200年頃の漢の時代に中国西北地方で発祥し、シルクロードを通って中央アジアやモンゴル、朝鮮半島、そして日本にも伝わったと言われています。そのためシルクロードは「絹の道」であるのと同時に、「麺の道」とも称されているようです。
日本最古の麺は奈良時代に唐から伝わった「索餅(さくべい)」で、これが後の「そうめん」の元になったようです。
ここで日本の麺の種類を整理してみたいと思います。

■蕎麦

主原料はそば粉と水。小麦粉の割合が少なく、小麦粉自体が入っていないケースもあります。小麦粉とそば粉の割合によって呼び名が変わります。

カザフスタン日本シルクロード協会 | カザフスタン
ざる蕎麦

主原料が小麦粉と水で、同じ製法で作られており、麺の太さや形状だけが違う麺は下記となります。

■うどん

直径1.7mm以上

カザフスタン日本シルクロード協会 | カザフスタン
かき揚げうどん

■そうめん

直径1.3mm未満。糸のように延ばして細く作られます。

カザフスタン日本シルクロード協会 | カザフスタン

■冷や麦

直径1.3mm以上1.7mm未満。うどんのように切って作られます。

カザフスタン日本シルクロード協会 | カザフスタン

■きしめん

幅4.5mm以上、厚さ2mm未満

カザフスタン日本シルクロード協会 | カザフスタン

■中華麺(ラーメン・やきそばなど)

主原料が小麦粉、かん水(アルカリ塩水溶液)、水。一般的な形状は「縮れ麺」ですが、ストレートや平打ち、太さも色々な種類があります。

カザフスタン日本シルクロード協会 | カザフスタン
醤油ラーメン

こうした様々な種類を使用した麺料理が地方によって数多く存在します。65種類もの麺料理を紹介しているページが農林水産省のWEBサイトに掲載されています。

「うちの郷土料理~次世代に伝えたい大切な味~」というセクションです。➡Go to the site


日本全国の様々な地域に伝承される麺料理を紹介しているページなのですが、食欲をそそられる美しい写真もさることながら、歴史・由来・関連行事、食習の機会、食べる季節、食べ方やレシピといった大変充実した内容が掲載されていますので、日本全国の麺料理に興味のある方は是非このページを訪れてみてください。こちらがそのページのスクリーンショット画像になります。

日本の麺料理について紹介を始めたら、それだけで永遠に話題が尽きないほど興味深いトピックが多々あります。

 

例えば、通称「うどん県」と呼ばれ、日本一うどんが美味しいと言われている香川県の讃岐うどんに対するこだわりは目を見張るものがありますし、元々は純日本製のものというよりは中華料理のカテゴリーに入れられて然るべきラーメンですが、醤油、味噌、塩、豚骨といったスープと、それと相性のいい太さや形状の麺、具など、それぞれの地域や店舗によって特徴があり、全国どこにでも行列のできる店があり、日本国内を旅行する時にご当地ラーメンを食べることは旅行者の楽しみの一つにもなっています。

そうした中で地域に関係なく定番の「麺料理」として紹介したいのが、「年越し蕎麦」です。年越しそば(としこしそば)とは、12月31日の大晦日に縁起を担いで食べる蕎麦で、年末の風物詩にもなっています。なぜ蕎麦かというと、諸説があるようですが下記の2説が主流となっています。


・蕎麦は細く長く伸びるので、寿命を延ばし、家運を伸ばすから、という説。
・蕎麦は切れやすいので、一年の苦労や厄災を断ち切って新年を迎えるため、という説。
年越し蕎麦を食べるタイミングですが、ポイントは年内、つまり12月31日23時59分までに食べ終わること。だいたい23時頃からスタートする除夜の鐘が鳴り始める前までに食べ終わる人が多いようです。
 

カザフスタン日本シルクロード協会 | カザフスタン
年越し蕎麦
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