
カザフスタン共和国について

カザフスタンは、近年議会の権限を強化する改革が進められている大統領制の国であり、議会は二院制を採用しています。
多民族国家であり、その文化は多様性に富んでいます。遊牧民族の伝統は今も生活の中に息づいており、音楽、料理、工芸品などに見ることができます。
カザフスタンの国土は広大で、日本の7倍以上の面積があります。大部分は平原で、ステップと呼ばれる草原が広大な地域を占めています。一方、南部や東部には険しい山岳地帯もあり、天山山脈などがそびえています。
気候は極端な大陸性気候で、四季の変化が激しいのが特徴です。夏は暑く乾燥する一方、冬の寒さは厳しく、首都アスタナをはじめとする内陸北部では気温が-40℃以下まで下がることもあります。
カザフスタンは、石油や天然ガス、ウラン、各種金属などの豊富な天然資源に恵まれています。これらの資源は、カザフスタン経済を支える重要な柱となっています。しかし、資源輸出に依存した経済構造は、国際的な資源価格の変動に左右されやすいという側面も持っています。そのため、カザフスタン政府は、近年、製造業の育成や物流ハブ化などによる経済の多角化を強力に進めています。
■ 面積
272万4900平方キロメートル
(日本の7倍、世界第9位。旧ソ連ではロシアに次ぐ。)
■ 人口
1,980万人(2024年:国連人口基金)
■経済
GDP
2,593億ドル(2023年:IMF推計値)
■ 民族
カザフ系(70.7%)、ロシア系(15.2%)、ウズベク系(3.3%)、ウクライナ系(1.9%)、ウイグル系(1.5%)、タタール系(1.1%)、その他(5.2%)
(2023年:カザフスタン国民経済省統計委員会)
■言語
カザフ語が国語。(ロシア語は公用語)
■宗教
イスラム教(69.2%)、キリスト教(17.2%)、無宗教(2.3%)、無回答(11.0%)
(2021年:カザフスタン国勢調査)
■ 首都
アスタナ
■ 構成
カザフスタンは、17の州と3つの特別市(共和国直轄市)で構成されています。
*2022年に「アバイ州(東カザフスタン州から分離)」「ウリタウ州(カラガンダ州から分離)」「ジェティス州(アルマトイ州から分離)」の3州が新設され、現在の体制となりました。
■ 気候
カザフスタンは国土が広大であるため地域によって大きく異なりますが、一般的には大陸性気候に属し、四季がはっきりしています。
緯度による日射量の差や地形の影響を受けやすいため、北部、中央部、南部に分けてみるとより理解することができます。
観光のベストシーズンは、一般的に春(4月~6月)と秋(9月~10月)です。
□ 北部: ロシア国境に接し、冬の寒さが極めて厳しい寒冷な地域
□ 中央部: 広大なステップ(草原)地帯が広がり、乾燥した典型的な大陸性気候の地域
□ 南部: 天山山脈の麓に位置し、比較的温暖で、古くからの中央アジアの歴史・文化的な影響が強い地域
□ 西部: カスピ海に面し、非常に乾燥した気候。石油や天然ガスなどの豊富な地下資源が集中する経済の要衝


北部
◎気候の特徴:典型的な大陸性気候で、冬は非常に寒く長く、夏は比較的短く温暖です。降雪量が多く、乾燥しています。
◎気温差:年間の気温差が非常に大きく、冬の平均気温は-15℃以下になることが多く、-30℃以下まで下がることも珍しくありません。
夏は20℃前後まで上がりますが、日較差も大きいです。
特別市
アスタナ (Астана қаласы / Astana qalasy)
※カザフスタンの首都であり、北部アクモラ州の中に位置する独立した特別市です。
≪州と州都(地方行政区分)≫
北カザフスタン州 Солтүстік Қазақстан облысы (Soltüstık Qazaqstan oblysy)
/州都:ペトロパブル Петропавл (Petropavl)
アクモラ州 Ақмола облысы (Aqmola oblysy)
/州都:コクシェタウ Көкшетау(Kökşetaw)
パブロダル州 Павлодар облысы (Pavlodar oblysy)
/州都:パブロダル Павлодар (Pavlodar)
コスタナイ州 Қостанай облысы (Qostanai oblysy)
/州都:コスタナイҚостанай (Qostanay)
東部
◎気候の特徴:シベリアのタイガ(針葉樹林)とアルタイ山脈の影響を受ける地域です。北部のステップ気候とは異なり、山岳地帯が多いため降水量は比較的多く、豊かな自然と森林、湖沼が広がっています。冬は雪深く、夏は過ごしやすい気候です。
◎気温差:大陸性気候のため年較差はありますが、山岳地帯であるため標高差による気温の変化が激しいのが特徴です。夏は温暖で心地よいですが、冬は山間部を中心に厳しい寒さに見舞われ、氷点下20℃〜30℃近くまで下がることもあります。
≪州≫
東カザフスタン州 Шығыс Қазақстан облысы (Shyghys Qazaqstan oblysy)
/州都:オスケメン Өскемен (Öskemen) ※かつては「ウスチ=カメノゴルスク」と呼ばれていました。
アバイ州 Абай облысы (Abai oblysy)
/州都:セメイ Семей (Semey) ※2022年に東カザフスタン州から分離新設されました。州都セメイはカザフの詩人アバイ・クナンバイウルにちなんで名付けられており、歴史的に重要な文化都市です。
中央部
◎気候の特徴:北部と同様に厳しい大陸性気候ですが、北部よりもさらに乾燥が激しく、冬の降雪量が少ないのが特徴です。遮るもののない広大なステップ(草原・半砂漠)地帯であるため、風が強い日が多くなります。
◎気温差:年較差・日較差ともに非常に激しい地域です。冬は寒波が押し寄せると-35℃以下まで冷え込む一方、夏は強い日差しによって30℃〜35℃を超える猛暑になることもあり、北部よりも夏の暑さが厳しくなります。
≪州≫
カラガンダ州 Қарағанды облысы (Qarağandy oblysy)
/州都:カラガンダ Қарағанды (Qarağandy)
ウリタウ州 Ұлытау облысы (Ūlytau oblysy)
/州都:ジェスカスガン Жезқазған (Jezqazğan)
南部
◎気候の特徴:乾燥した大陸性気候ですが、北部や中央部と比べると冬の寒さは和らぎ、夏はより暑く日差しも強くなります。平原地帯ではステップ気候や砂漠気候が見られる一方、東部・南部の国境沿いには天山山脈などの険しい山岳地帯がそびえ、標高による気候の変化もあります。
◎気温差:北部や中央部ほど極端な酷寒にはなりませんが、年間を通しての気温差はやはり大きいです。夏は非常に暑く、40℃近く(時にはそれ以上)に達することもあります。冬は比較的温暖ですが、寒波が来ると氷点下まで下がります。
≪特別市≫
アルマトイ(旧首都)Алматы қаласы (Almaty qalasy) カザフスタン最大の経済・文化都市(旧首都
シムケントШымкент қаласы (Şymkent qalasy) 南部の主要な工業・商業都市
≪州≫
ジェティス州 Жетісу облысы(Jetısu oblysy) ※2022年にアルマトイ州から分離新設されました。
/州都:タルディコルガンТалдықорған (Taldyqorğan)
アルマトイ州 Алматы облысы(Almaty oblysy
/州都:コナエフҚонаев (Qonaev) ※かつては「カプチャガイ」という街でしたが、2022年の州再編に伴い、カザフ体制期の指導者ディンムハメド・コナエフにちなんで改称され、新しい州都となりました。
ジャンブール州 Жамбыл облысы(Jambyl oblysy)
/州都:タラズТараз (Taraz)
テュルキスタン州 Түркістан oblysy(Türkıstan oblysy) ※かつての「南カザフスタン州」です。州都テュルキスタンには世界遺産「ホージャ・アフマド・ヤサヴィー廟」があり、歴史的な聖地として有名です。
/州都:テュルキスタンТүркістан (Türkıstan)
クズルオルダ州 Қызылорда облысы(Qyzylorda oblysy
/州都:クズルオルダ Қызылорда(Qyzylorda)
西部
◎気候の特徴:内陸性気候に属しますが、カスピ海の影響を受ける地域と内陸部で差が見られます。一般的に乾燥しており、降水量は少ないです。夏は暑く乾燥し、冬は比較的寒く、雪が降りますが、北部ほど厳しくはありません。砂漠や半砂漠の地形が広がっているため、砂嵐が発生することもあります。
◎気温差:年間の気温差は大きいですが、北部や中央部ほど極端ではありません。
夏は非常に暑く乾燥します。平均気温こそ30℃前後ですが、日中の最高気温は40℃を超えることも珍しくありません。
冬の平均気温は氷点下になることもありますが、-20℃以下になることは稀です。日較差は内陸部で大きくなる傾向があります。
≪州≫
アクトベ州 Ақтөбе облысы (Aqtöbe oblysy)
/州都:アクトベ Ақтөбе (Aqtöbe)
西カザフスタン州 Батыс Қазақстан облысы (Batys Qazaqstan oblysy)
/州都:オラル Орал (Oral)
アティラウ州 Атырау облысы (Atyrau oblysy)
/州都:アティラウАтырау (Atyrau)
マンギスタウ州 Маңғыстау облысы (Mañğystau oblysy)
/州都:アクタウ Ақтау (Aqtau)

<カザフスタン共和国の国旗>
イメージ出典:カザフスタン大統領室オフィシャルサイト(https://www.akorda.kz/en/state_symbols/kazakhstan_flag)
■国旗
カザフスタンの国旗は、1992年に公募により選ばれたシャケン・ニヤズベコフ(Shaken Niyazbekov)によってデザインされました。独立後の新しい国家としてのアイデンティティ、歴史、文化、そして国民性が深く反映されています。
■ 国旗を構成する4つの要素と意味
水色(スカイブルー)
カザフ草原の澄み渡る果てしない空と、国内の平和と安定を象徴しています。また、カザフ族を含むチュルク(トルコ)系民族にとっての伝統色であり、民族の連帯を示す色でもあります。
金色の太陽
富、豊かさ、そして生命の源であるエネルギーと明るい未来を象徴しています。太陽から放たれる32本の光線は、穀物の包み(豊穣)をかたどっており、国の繁栄と発展への願いが込められています。
翼を広げたワシ(ステップ・イーグル)
カザフの広大な空を飛ぶソーカーハヤブサ(またはイヌワシ)です。遊牧民にとってワシは古くから自由、独立、力強さ、知恵、そして高きを目指す勇気の象徴であり、国家が未来へ向かって力強く飛躍することを表現しています。
左端の金色の伝統文様(カザフ・オルネク)
カザフ民族の伝統的な装飾文様が縦一列に配されています。ここには「コシュカル・ミュイズ(Қошқар мүйіз / Qoshqar muiz)」と呼ばれる羊の角をモチーフにした文様などが含まれており、大自然と調和しながら生きてきた遊牧文化の歴史と、カザフスタンの文化的アイデンティティを象徴しています。
■略史
15世紀後半
遊牧ウズベク国家から分離し、キプチャク草原(現在のカザフスタンを含む)に勢力を拡大。カザフ・ハン国の成立
18世紀初
大ジュズ、中 ジュズ、小ジュズの三つの部族連合体に分裂
1730年代
カザフの支配層の一部がロシア皇帝に臣従
18世紀中頃
清朝にも朝貢
1820 年代まで
ロシア帝国、総督府を設置し、カザフ・ハン位の権限を段階的に停止
1837年~1847年
ケネサルの反乱(カザフ人による対ロシア反乱)
1850年~1860年代
現在のカザフスタン全域がロシア帝国の支配下に(ロシア人農民の大量植民)
1920年
「カザフ(キルギス)自治ソビエト社会主義共和国」成立(首都オレンブルグ)
1924年
中央アジアの民族・共和国境界画定により国境線を変更
1925年
首都をオレンブルグからクズィルオルダに移し、国名を「カザフ(カザク)自治ソビエト社会主義共和国」に変更
1929年
首都をアルマティ(アルマ・アタ)に移転
1936年
ソ連邦を構成するカザフ・ソビエト社会主義共和国に昇格
1986年12月1日
アルマ・アタ事件(カザフ人共産党第一書記コナエフ解任に抗議するデモに対する内務省軍と警察による弾圧)
1990年4月24日
ナザルバエフ大統領就任
1990年10月25日
共和国主権宣言
1991年12月1日
大統領選挙が実施され、ナザルバエフ候補が当選
1991年12月10日
国名を「カザフスタン共和国」に変更
1991年12月16日
共和国独立宣言
1997年12月10日
首都をアルマティよりアクモラ(現アスタナ)に移転
1999年1月10日
大統領選挙が実施され、ナザルバエフ候補が再選
2005年12月4日
大統領選挙が実施され、ナザルバエフ候補が再選
2011年4月3日
大統領選挙が実施され、ナザルバエフ候補が再選
2015年4月26日
大統領選挙が実施され、ナザルバエフ候補が再選
2019年3月19日
ナザルバエフ大統領が辞任を表明
2019年3月20日
トカエフ上院議長が大統領に就任
2019年3月23日
首都の名称をアスタナからヌルスルタンに変更
2019年6月9日
臨時大統領選挙が実施され、トカエフ候補が当選